地域のコミュニティ拠点を目指した「TSUTAYA BOOKSTORE 常総インターチェンジ」はどのようにして生まれたのか

CCCの知見を活かしたマーケティング調査を素地としたコンセプト設計

戸田建設株式会社が、戸田建設グループの東和観光開発株式会社と共にPPP(官民連携)事業協力者として参画する「アグリサイエンスバレー構想」(茨城県常総市)によって、「TSUTAYA BOOKSTORE 常総インターチェンジ」を含む「アグリサイエンスバレー常総」が2023年5月27日にオープンしました。

CCCは、今までの知見を活かして「アグリサイエンスバレー常総」が地域のお客様に愛される場所を目指すため、事前のマーケティング調査を行いました。その結果、「TSUTAYA BOOKSTORE 常総インターチェンジ」の出店を計画し、周辺商業施設として温浴施設を誘致するなどに至った経緯についてお伝えします。

CCCの企画設計は3段階

CCCの企画設計は3段階で行います。まずは、定量・定性データから総合的な分析を行い狙うべきターゲットを設定し、志向性やニーズなど多角的に深堀りしたターゲット設定を行います。次にファクトに基づきコンセプトを設定し、顧客視点から提供する価値やMD構成などプラン全体の軸となるものを作成します。その後、コンセプトを最大限に具現化するプランを作成します。

「アグリサイエンスバレー構想」における企画立案

「TSUTAYA BOOKSTORE 常総インターチェンジ」を含む「アグリサイエンスバレー常総」は、圏央道常総インターチェンジ周辺地域を中心とし、食と農と健康をテーマに農業6次産業化(※1)による新たな拠点をつくり、地域創生に貢献することを目的としています。多様なお客さまが集う3次産業の場を創出することで、常総市の活力ある個性豊かな地域社会の形成・発展に貢献したいという考えから生まれました。

※1:農林漁業本来の1次産業だけでなく、2次産業(工業・製造業)・3次産業(販売業・サービス業)を取り込むことから、「1次産業の1」×「2次産業の2」×「3次産業の3」のかけ算の6を意味しています。(農林水産省webサイトより https://www.maff.go.jp/j/nousin/inobe/6jika/index.html

アグリサイエンスバレー常総において「道の駅常総」の出店は決まっていたものの、他の商業区画のプランが決まっておらず、どういった店舗を誘致するのが良いのか、アグリサイエンスバレー常総全体をどう設計するのが良いのかというご相談を、「アグリサイエンスバレー構想」のプランニングなどを行っていた戸田建設株式会社よりいただいたことからこのプロジェクトはスタートしました。

「アグリサイエンスバレー常総」においては、まずは常総インターチェンジ周辺のマーケット調査からスタート。住民構成や人口分布などのエリアマーケティングをはじめ、人の流出入を見るGPSデータの取得、周辺エリアでの街頭インタビュー、周辺施設のコンセプトや、来店客層の分析など、一般的なマーケティング調査を行いました。それに付随して、CCCグループならではのマーケティング調査も行いました。CCCMKホールディングスが保有するデータをもとにした周辺地域にお住いの方の傾向を細かく調査。また、どういった趣味趣向の特性を持っている方が多いのか、などをさまざまな角度からのデータに基づき、よりリアルに顧客分析を行いました。

マーケット調査から見えてくる周辺住民のニーズ

マーケット調査の結果、常総市の総人口のクラスターを見ると、40代以上世代の人口シェアが高いことが分かりました。一方で隣接するつくば市やつくばみらい市には、30~40代の働いている世帯が多いことが分かり、既に子育てを終えた40代以上世代の方々と、現在子育て中の30~40代をターゲットとすることが決まりました。

そのターゲットを中心に周辺エリアでの調査において「どんな施設が欲しいか」と伺ったところ「ベーカリー」「カフェ」「書店」「温浴施設」というご要望が多いことが分かりました。

さらに、お子様連れの女性を中心に行った「お休みの日に行く場所を教えてください」「新たに商業施設ができるとしたら、どんなお店やサービスがあったら行きたいですか、誰と行きますか」「お気に入りのお店があれば教えてください」「最近周りでの流行っていること」という質問項目で行った街頭調査からは以下のことが分かりました。

他の調査からは、40代以上世代は、趣味の時間を大事にしていること、貯蓄・片付けなどに興味関心が高いことが見えてきました。また、30代は、最先端の情報に敏感、スキル向上にも意欲がある、生活もカッコよくありたいという傾向も見えてきました。

このように、さまざまな調査を行い、30~40歳代・小学生未満のお子様をお持ちの家族は週末に子供といっしょに行く・過ごす場所がないと感じている方が多いということ、40~50歳代・中学生・高校生のお子様をお持ちの家族は子どもも成長し、自分のライフスタイルを磨きたいと思っている方が多いという結果に基づき、「アグリサイエンスバレー常総」のターゲットやコンセプトを設計しました。

ファクトに基づくコンセプト設定

子どもとの生活をより充実させたい人たち、そして、これから子どもが独立していく親、誰かと日々の生活をより楽しみたいと思っている人、子供との生活をより充実させたい人などの「人生をもっと楽しみたいと感じている」人がターゲット。その方たちに向け、誰かと趣味を共有する、もしくは、新しい何かを発見するライフスタイルの提案を通した「人生の楽しみ方」を家の様な空間で、自分の家ではできない本や雑貨での新しいライフスタイルを提案、さらにはイベントを通じてコミュニティ化を目指す方向性が良いのではと議論の末決まりました。

そして生まれたのが「Second House 自宅でできない楽しみを」というコンセプトです。

顧客の課題解決のために調査からデザイン、商品選定、運営支援まで一気通貫で行うCCCの店舗づくり

CCCの企画は、マーケティング調査から店舗の内装設計やデザイン、店舗で扱う商品のセレクト、そして運営支援までを一気通貫で行うことができる強みがあります。また、これまで展開してきた「TSUTAYA」「蔦屋書店」などの店舗や、「Vポイント」などのサービスに関する知見や経験をもとにご提案やサポートをしています。

お客さまの課題を解決し、事業機会を創出するために、CCCは最適な解を今までの経験や知的資本を活かしてご提案してまいります。

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