渋谷のランドマークを巻き込んだ横断プロモーション、TVアニメ『ダンダダン』第2期の取り組み
2025年7月から放送開始されたTVアニメ『ダンダダン』第2期のプロモーションとして、視聴者層の拡大を目指し、渋谷エリアで若年層や外国人観光客に向けた施策を展開しました。アニメの放送局であるMBS毎日放送とともに、CCCグループが培ってきた多様なアセットを活かし、渋谷のランドマークを巻き込んだ横断プロモーションを実現しました。(2025.09.05 up)
『ダンダダン』とは――毎日放送と取り組むアニメ第2期のプロモーション
『ダンダダン』は国内外で高い人気を博しているオカルティック怪奇バトル漫画です。オカルト、SF、バトル、コメディが融合したユニークなストーリーが特徴で、コミックスは累計発行部数1,000万部(※1)を突破しています。2024年10月にはTVアニメ化され、さらに注目を集めました。2025年7月からアニメ第2期が放送されており、ますますその人気が高まっています。
※1 電子版含む(2025年4月時点)
アニメの放送局である毎日放送(以下「MBS」)は、「ダンダダン製作委員会」にも参画しており、アニメ第2期の放送開始に向け、プロモーションを主導する役割を担っています。第1期の放送終了から第2期までは半年の間があったため、情報やコンテンツが溢れている現代において、放送が始まる前に、視聴者に『ダンダダン』という作品を思い出してもらうことが重要だと考えていました。また、既存視聴者に加えて、これまで作品に触れたことがない層や、アニメ第1期を観ていない層にも興味を持ってもらえるプロモーション施策を求めていました。
そこで、何か一緒にお取り組みができないかと手を挙げたのが私たちです。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下「CCC」)グループが長年培ってきたオフラインでの顧客体験創出のノウハウを活かして、MBSの課題解決に貢献できるのではないかと考えました。
渋谷の3つのランドマークを巻き込んだ一大プロモーションが実現
視聴者層の拡大には、情報感度の高い若年層や、日本のアニメに関心の高い外国人観光客に作品の魅力を伝えることが重要と考え、日本の情報発信地である「渋谷」をプロモーションの拠点に定めました。渋谷から日本、日本から世界への拡散を狙った取り組みです。
第2期の放送開始前に、渋谷の街を巻き込んだプロモーションが行えないか?決まった予算や準備期間の中で、作品とターゲット層の顧客接点をどこまで最大化できるか検討しました。そこで生まれたのが、渋谷を代表するランドマークを舞台とした「横断型」のプロモーション企画です。
私たちは、店舗の出店や街づくりなどの取り組みを通じて、さまざまなディベロッパーと協働関係を築いています。これまで培ってきたネットワークや関係値を基に、横断型プロモーション企画の実現可能性について、各ランドマークを管理するディベロッパーに相談しました。その結果、プロモーションを通じて施設全体の集客につながることに期待をいただき、渋谷の大規模複合施設「Shibuya Sakura Stage」、渋谷の宮下公園にある商業施設「MIYASHITA PARK」、そしてIPコンテンツの聖地を目指して私たちが運営する「SHIBUYA TSUTAYA」の3拠点での横断プロモーションを実現できることになりました。



コンセプトは『怪幕祭』――第2期放送開始への期待感を高める
具体的なプロモーション企画を検討するため、私たちはTVアニメの第1期を繰り返し視聴し、原作の理解を深めていきました。どういった仕掛けがあれば作品に興味を持っていただけるか、どのシーンに光を当てれば第2期への期待を醸成できるか、MBSの皆さまと何度もディスカッションを重ねました。
その結果、プロモーション全体のコンセプトとして誕生したのが「怪幕祭」というテーマです。『ダンダダン』が幽霊や妖怪などオカルト要素を含んだ作品であることと、第2期開始を祝う「祭り」の盛り上がりをイメージし考案しました。

そこから発想を広げ、具体的な施策に落とし込んでいきました。第2期の「開幕」を意識させるカウントダウンの演出や、第1期のキャラクターをモチーフにしたオリジナルグッズなど、来場者が一緒に「怪幕祭」を楽しめるよう趣向を凝らしました。なお、オリジナルグッズは「怪幕祭」限定商品として新たに制作し、会場で先行販売したものです。3拠点でラインナップも変え、『ダンダダン』ファンの皆さまが回遊して楽しめるよう演出しました。また、オリジナルグッズは2025年8月8日より全国のTSUTAYA85店舗でも展開し、日本各地の『ダンダダン』ファンの皆さまにも広くご購入いただけるようになっています。


来場者が作品の世界に入り込める没入感を――体験型のプロモーションを実行
さらに、プロモーションには来場者が実際に体験できる要素も取り入れました。アニメ第1期と第2期を繋ぐ重要な場面となる「お札の部屋」を展示スペースに再現し、実際に来場者がお札を貼れる体験を味わえるようにしました。「SHIBUYA TSUTAYA」で貼られたお札の数は合計8,000枚以上。多くの来場者が体験型イベントを楽しまれたことが分かります。「Shibuya Sakura Stage」では、アニメのキャラクターが運勢を占ってくれる「おみくじ」を配布し、第2期開始の高揚感をご自宅にも持ち帰っていただくとともに、体験価値を通じてプロモーション効果を高めることができました。

第2期への橋渡しになるように、第1期の内容をエピソードごとに振り返るパネル展示、巨大モニターやサイネージによる映像での訴求にも力を入れました。映像においては、キャラクターのダイナミックな動きや声優の演技力など、アニメ作品ならではの魅力が伝わる展示構成を意識しています。SNS等での拡散も見据えて、全方位からの視認性や空間バランスにも配慮を行い、来場者が深く作品の世界に没入できる環境の創出に取り組みました。各施設によって異なるレギュレーションにも対応しながら、来場者の関心をつかむ空間づくりを目指しました。



また、イベントを開催させていただいた施設側の集客にも繋がるよう、作品を絡めたプロモーション施策も行いました。「MIYASHITA PARK」では、施設内のFOOD HALLでの展示や、施設の公式SNSアカウントをフォローすると『ダンダダン』のグッズがもらえるキャンペーンなどを実施し、施設ともWin-Winな関係が構築できるよう注力しています。


“渋谷ジャック”を経て、『ダンダダン』第2期は大好評のスタート
7月3日から放送を開始したTVアニメ第2期は第1期同様に好評を博し、動画配信サービスでも上位にランクインしています。共にプロモーションに取り組んだMBSからも、複数のランドマークを横断し、同一期間で大規模なプロモーションを展開できたことが、この結果に繋がっているとご評価いただいています。作品とのタッチポイントが複数あったことで、コアファンは回遊により作品への愛着を深めることができました。また、各施設に来館される多様な顧客層へのアプローチにも繋げることができ、渋谷全体で『ダンダダン』を盛り上げることに成功しています。
今後も両社のシナジー最大化を目指して、MBSとはさまざまな取り組みを検討していく予定です。引き続き私たちは、CCCグループの多様なアセットを活用し、クライアント企業の課題解決や顧客価値創造に貢献してまいります。
TVアニメ『ダンダダン』:https://anime-dandadan.com/
第2期放送開始!TVアニメ『ダンダダン』が渋谷の街をジャックする「怪幕祭」を開催!:https://shibuyatsutaya.tsite.jp/article/1089.html
©龍幸伸/集英社・ダンダダン製作委員会
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