地域に根差した百貨店「デパートリウボウ」の新しい挑戦をサポート ~データでお客様の声を再確認し、『新コンセプト』を共創~

CCCMKホールディングスと株式会社リウボウインダストリー(以下、リウボウ)は、データと独自性を軸に、今後の事業戦略の方向性を示す新しいコンセプトづくりに取り組みました。今回は、その背景や思いそして今後のアクションについてご紹介します。(2025.11.04 up)

Tポイントとリウボウ

沖縄県を拠点とするリウボウグループは、2015年5月に百貨店業界で初めてCCCのTポイント(現:Vポイント)を導入しました。デパートリウボウやリウボウストア、さらに2023年にリリースされた「りうぼうネットスーパー」でも、Vポイントが貯まる・使えるサービスを提供しています。
また、Vポイントのデータを活用した市場調査やプロモーション、企画開発など、データベースマーケティングの領域でも連携を強化。地域住民だけでなく観光客へのアプローチにも、Vポイントデータが活用されています。

「データと共創で導く百貨店の新コンセプト「すごす。百貨店」_デパートリウボウ」の説明画像です

最高売上からコロナ禍へ、現状認識への危機感

デパートリウボウは2018年に過去最高の売上を記録しましたが、コロナ禍の影響により苦戦を強いられました。さらに、コロナ以降も大型ショッピングセンターの開業が相次ぎ、県内ニーズの分散が進むなど、市場環境は一層厳しさを増していました。そのような中、社内では「このままで良いのか」という強い危機感が生まれていました。

株式会社リウボウインダストリー 代表取締役社長 親川 純 氏
「コロナの影響を元に戻すという話ではなく、現状の市場環境や消費者インサイトを再認識する必要性を痛感しました。そこで外部機関に依頼して、以前ご利用いただいていたお客さま(離反顧客)とこれまで接点のなかったお客さま(未利用顧客)にWebアンケートとインタビュー調査を実施しました。その結果を全従業員がしっかりと理解し、共通の方向性を持って日々の業務に取り組むために、顧客の行動データ、生活者の声を収集できるCCCMKホールディングスと新コンセプトづくりを行うことが有効だと感じました。」

Vポイントデータを活用した新しい百貨店コンセプトの共創

新コンセプトの策定にあたっては、外部調査に加え、約7,000万人の会員を有するVポイントのデータベースを活用し、幅広い消費者に対するマーケティングリサーチを実施しました。
たとえば、コロナ前後の購買行動の変化や、沖縄初上陸ブランドのPOP UP開催による新規来店者の動向、観光客からの認知度など、これまで感覚的に捉えていた消費者インサイトをファクトデータとして可視化。
「現在の利用者」「県内の非利用者」「観光客」という3つのターゲットに共通するニーズを見出し、リウボウの独自性を表現する新たなコンセプトを検討・策定しました。

「データと共創で導く百貨店の新コンセプト「すごす。百貨店」_デパートリウボウ」の説明画像です

親川 氏
「2015年のTポイント導入から10年間にわたる利用状況の変化を細やかに分析し、確かなデータで改めて示していただけたことで、納得感を持ってコンセプト設計を進められました。また、このプロセスを通じて、弊社会長・糸数剛一が以前より大切にしてきた『競合に打ち勝つためには独自性が不可欠』という経営理念の妥当性についても、客観的なデータによる裏付けが得られました。社員一同がリウボウの行動指針として共感していた考え方でもあり、今後の取り組みに向けた力強い後押しとなりました。」

デパートリウボウ独自の魅力を戦略に落とし込んだ新コンセプト

新コンセプトは、「県内外すべてのお客様に沖縄で過ごす楽しさを提供する」という思いを込め、リウボウらしい魅力の再発掘と新たな挑戦を意味しています。
このコンセプトは、中長期的な戦略や具体的な企画の方向性にもつながっており、調査結果やデータをエビデンスとして整理することで、従業員が日々の業務に活用しやすい形に落とし込まれています。

親川 氏
「沖縄の海を背景にコンセプトのキャッチコピーを発信するデザインは、沖縄の我々にしかできない表現だと感じました。常々社内でも重視されてきたデパートリウボウの独自性や、“唯一無二の百貨店”としての在り方が視覚的に象徴されているようで、大きなインパクトがありました。社内からはレイヤーごとにさまざまな反応がありました。普段データに触れる機会の少なかった現場に近いメンバーからは『こういうことが課題だったのか』と新たな気づきが生まれ、中間層からは『では、どう取り組んでいくべきか』といった声があがるなど、コンセプトブックによって可視化された現状の課題感や進むべき方向性について、具体的な議論が始まるきっかけとなりました。」

コンセプトの浸透から実行へ、リウボウにしかできない仕掛けづくり

「データと共創で導く百貨店の新コンセプト「すごす。百貨店」_デパートリウボウ」の説明画像です
沖縄のいいモノ・日本のいいモノ・世界のいいモノ・からだにいいモノ をコンセプトにした売り場「樂園百貨店」

「沖縄のいいモノ・日本のいいモノ・世界のいいモノ・からだにいいモノ」をテーマにした売り場「樂園百貨店」など、リウボウは77周年を迎えた今も、80周年・100周年に向けて新たな価値提供に挑戦しています。
11月には新しいフードホールのオープンを皮切りに、さまざまな仕掛けが予定されており、CCCMKホールディングスも引き続きその取り組みを支援してまいります。

親川 氏
「新しいコンセプトづくりを通じて、自社の課題が改めて浮き彫りとなり、進むべき方向性を再定義することができました。今後は、オンボーディングを含めた従業員教育の中で、日々の業務の指針として浸透させていくとともに、ステークホルダーの皆さまにも当社の強みや想いをより深くご理解いただけるよう、発信力の強化にも活用していきます。引き続きCCCMKホールディングスとは、百貨店らしさを追求したデパートリウボウにしかできない企画や商品の具現化を共に進めていきたいと考えています 。」

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